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【解体材処理の沿革①】
近世の江戸では、生活から発生する不要物を回収し、再利用していたことはよく知られている。
植物から搾った油は行灯の燃料とし、その搾りカスは肥料に、
モミを取った後のワラは草履や縄に利用されていた。
また紙くず、古着、灰などを回収する業者がおり再利用されていた。
この当時の建築解体材がどのように処理されていたかは不明であるが、
木材や瓦といった建材は貴重なものであったことから、
再利用されていたことが推察される。
現在の解体材は、
昔と違い種類も量も多くなってきており、
戦前までの状況とは大きく異なることから、
ここでは主に戦後以降について、
廃棄処理の歴史として述べる。
新・解体工法と積算 解体工法研究会
一般財団法人 経済調査会
【解体の必要性とその沿革】
*耐震性から*
1995年(平成7)年1月に発生した阪神・淡路大震災の際、設計法が古く、耐震性の低い建物が多数倒壊し、
多数の方が犠牲となった。
建築物の被害の傾向をみると、
現行の新耐震基準(1981(昭和56)年施工)以前に建築された建築物に被害が多く見られる一方、
1989(昭和57)年以降に建築された比較的新しい建築物の被害の程度は軽く、
現行の新耐震基準は概ね妥当であると評価された。
阪神・淡路大震災の教訓を生かすため、同年12月、「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」が施工され、
現在の新耐震基準を満たさない建築物について積極的に耐震診断や改修を進めることとされた。
これを受けて、
今日も耐震診断が進められており、
耐震性を確保されていない場合、
機能、社会、経済性等とともに総合的に、耐震補強もしくは解体・新設かが判断される。
新・解体工法と積算
解体工法研究会
一般財団法人 経済調査会
【解体の必要性とその沿革】
[社会的・経済性から]
土地の高度利用の要請は、概設の建物を解体し、新築による経済的メリットを期待している。
また、人口集中に伴う都市の再開発でなどでは、
都市計画状上、広場の新設、道路の拡幅、高速道路の新設、鉄道、地下鉄の新設あるいは改造工事など、
公共の要請によって概存の構築物を除去するケースも増えている。
建物の経済的な評価は、行政への影響、その場所を含む地域社会への影響、
建築敷地への影響、
建物自体がもつ個性的なものへの影響、
建物の運営上の影響、
建築資金の償還上の影響、税務上の影響などそれぞれをよく把握して相関関係によって行われる。
留意しなければならないことは、
建物は初期計画における直接または潜在的に備蓄された要因としての影響と、
その時点での社会的な影響とが相互に関連して建物の寿命に影響するということである。
新・解体工法と積算 解体工法研究会
一般財団法人 経済調査会
解体の必要性
【機能上から②】
構築物の機能は人間のためにあるのであるから、例えば住宅について分析すれば
人間の意識変化が生じることで当然、構築物の機能診断の尺度も異なってくる。従って、構築物の形状は不変であっても、
外的・内的要因によって構築物の性能評価は変化する。
近隣状況の変化、環境の変化、立法・行政の進歩、災害の発生、設備の性能、家族構成または企業の内容変化、
そして構築物そのものの劣化などについて、一つ一つ数量化するのは難しいが、最終的には構築物は、
住む人、そこで働く人の肉体的精神的満足度、
あるいは利用する人の経済性や意識のレベルによって診断される。
新・解体工法と積算
解体工法研究会
一般財団法人 経済調査